都会から田舎へ「田園回帰」する3つの理由:ゆるく生きるを考える②

当サイトのテーマである「ゆるく生きる」。こだわらず、心地よく、ゆるゆると日々を送ること=ゆるく生きる、だと解釈しておりますが、同企画「ゆるく生きるを考える」では、「ゆるく生きる」を真面目に深く考えていこうと思います。

前回のテーマは「つながらない生活」でした。(前回記事)今回のテーマは「田園回帰」です。先日とある喫茶店で朝食をとっている時、店内のテレビで「総務省が田園回帰の実態を把握する研究会を設置する」というニュースをみました。

同ニュースの要旨は、

総務省は都市部の若い世代を中心に、自然が豊かな農山漁村に移住しようとする「田園回帰」と呼ばれる意識が広がっているとして、新たに有識者らによる研究会を設置して、実態把握を始めることになりました。

といった感じです。

「田園回帰」という言葉は初耳でした。地方創生、地方移住、Uターン・Iターン就職あたりは耳にしていましたので、こうしたカテゴリに属する言葉と捉えています。

Third.jpも「ローカル」というカテゴリを設けているように、地方の話題も積極的に拾ってきたつもりです。

(一例)

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都会よりも田舎のほうが「ゆるく生きる」をテーマにする当サイトらしいという判断のもと書いてきました。漠然とした考えですが、今回の記事では「”ゆるく生きる”がどう田舎や地方での暮らしと関わるのか」も考えたいと思います。

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若い世代が田園回帰を志向する3つの理由

まず、田園回帰と呼ばれる意識がなぜ広がっているのか、僕なりに考察してみたいと思います。そもそも本当に広まっているのかわかりませんが、少なくとも国の機関である総務省がそう感じているようですし、僕自身も田園回帰の意識を少なからず持っています。

“若い世代”、”田園”が示す範囲については、あえて明確に定義しません。イメージとしては「東京の大学で地方出身者の地元就職志向が高まっている」「フリーランスワーカーの地方移住が増えている」、こんな感じの動きが「田園回帰」の具体例ではないでしょうか。

こういった流れの要因を自分なりに考えて3つにまとめてみました。

1. インターネットの普及

ITインフラが日本全国で整備され、地方であっても快適にインターネットに接続できます。どこでも最新の情報を手に入れられますし、IT系や編集系など場所を選ばない仕事であればネットを通じて生計を立てることも可能です。ならば都会で働いても地方で働いても変わらない。自然があって生活コストの安い地方に住むという選択も合理的に感じます。

2. 東京ブランドの低下

日本で最も都会といえば、言うまでもなく東京です。世界的な大都市であり、オリンピック開催も予定されている東京は、今も昔も多くの若者を惹きつけています。地方の学生は誰しも一度は上京に憧れるものです。

もちろん今でも東京の求心力は他地域を圧倒していますが、少なからず昔よりは弱まっていると思います。テレビや雑誌というメディアが全盛だった時代は、文化の中心地としての東京をメディアが映し出すことで「東京ブランド」はみんなの憧れの的でした。

しかし、1つ目の理由で述べたように日本全国でインターネットが普及しました。テレビや雑誌の影響力は弱まり、インターネットの影響力が強くなると情報はより多様になります。地方でのライフスタイルも脚光を浴びるようになります。そうなると、上京した地方出身者も「地元で頑張るのもカッコいいじゃん」となるわけです。

3. 都会疲れ

大企業を中心に会社は都市部に集中しています。地方よりも会社選択の幅が広いので、仕事のために東京をはじめとする都市で生活する人は多いでしょう。都市で暮らす社会人にかかるストレスはとても大きいと感じます。

人の多い都会はお店やイベントが多く刺激的な反面、満員の通勤電車に乗ることを強いられたり、どこにいっても混雑していたり、不便な点も多いです。大手企業なら社内の競争も激しいですし、都会には会社の数も多いので会社間の競争も熾烈。都会は競争社会です。

また、引き続きインターネット普及の話になりますが、ネットにより莫大な情報が提供され、スマホによりネットに接する機会が増えたことで、我々は情報をさばくための負荷が増えました。都会は広告に満ちており、ただでさえ情報が多いのに、そこにネットです。(ネット、特にSNSによるストレスに関しては本企画の第1回で論じているので、詳しくはこちらをご覧ください)

以上から現代の都会生活は非常にストレスに満ち溢れていると考えます。リフレッシュ目的で地方に住もうとなるのも納得です。

子育てのため、家族のため、みたいな理由もあると思いますが、これらは昔からある理由だと思います。田園回帰の意識が”広がっている”ということで、インターネット社会らしい新たな要因を挙げてみました。

総括すれば「価値観の多様化」だと思います。特に、働き方に関する価値観。「田舎で働くのもいいな」と思う人が増えたから田園回帰現象が起こるわけです。

都会より田舎の方がゆるく生きやすい?

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「価値観の多様化」とは具体的にどういうことでしょう。昔は「大企業で一生安泰」「夢のマイホーム」「車は一家に一台」のような主流の考え方があったと思います。近年は「転職は当たり前」「フリーランスも視野に」「シェアハウス」「シェアカー」「ミニマリスト」「シンプルライフ」といった多様な働き方、暮らし方が出てきました。

そんな流れで、地方移住、田舎暮らしを志向する「田園回帰」意識が育まれたのかもしれません。そして「ゆるく生きる」という意識も価値観多様化の産物であり、田園回帰とは非常に相性がいいです。

外的な刺激や選択肢の少ない田舎・地方のほうが、よりミニマムに、よりシンプルに暮らしやすく、ゆるゆる生きられる気がします。モノやコトに溢れた都会では目が眩んでしまいますからね。まあ雑多さが都会の魅力ですし、田舎は退屈だという意見もあります。でも、「田園回帰してゆるく生きる」も多様性の時代のひとつの選択肢だといえるでしょう。

もちろん、都会で暮らしていても意識を変えるだけで「ゆるく生きる」ことは可能です。その場合は、あえて退屈に時間を過ごしてみたり、時には旅に出て自然に触れるなど、”田舎的”要素を生活に取り入れる工夫があるといいな思います。

本記事冒頭で紹介したニュースで、総務省は「来年3月までに田園回帰の実態把握を終え、地方の人口増加に向けた具体施策につなげたい」としています。田園回帰という動きを地方創生に活かせるのかにも注目したいですね。

Minto
ゆるく生きたい20代男。編プロからライター活動を開始し、旅やITなど幅広い分野で執筆中。
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